アラフォー脚本家志望日記

アラフォーが脚本家を目指すブログ

NHKスペシャル 二・二六事件~最高機密文書で迫る~

 録画していた「NHKスペシャル 二・二六事件~最高機密文書で迫る~」を見る。私は日本史が好きだが、ただ一つ、苦手な時代があって、それがこの二・二六事件から敗戦までの時代だ。明るかった大正時代から一気に空気が暗くなっていき、最後には原爆だ。気が滅入るのでどうしても避けてしまう。

 勿論、二・二六事件については大きな流れは知っていた。汚職腐敗の政治不信に乗じて、陸軍の青年将校らがクーデターを起こし閣僚を次々と殺していったが、昭和天皇が彼らを反乱軍とみなしたために失敗した、ということだ。しかし、この事件がどういう影響をその後の歴史に与えたのかは知らなかった。

 

 そのレベルで今回のNHKスペシャルを見たが、色々知らなかったことを知れたので面白かった。まず大きな驚きだったのが、事件当時の昭和天皇は軍部内であまり人気がなかったということだ。その後の天皇の神格化を知っていると、その当時から圧倒的な権威があり、その権威を決起部隊の将校らは利用しようとしたのかと思っていたのだが、実際はそうではなかったらしい。むしろ高松宮秩父宮の方が軍部には人気があったのだという。したがって事件発生当時、昭和天皇はすぐには動けなかった。クーデターが全国に広がり、彼らが軍部に人気のある皇族を天皇にする可能性すらあったからだ。弱い立場だった昭和天皇が頼ったのが海軍だった。事件はじめには天皇ー海軍vs決起部隊ー陸軍、という形だったという。

 次に驚いたのが、その当時の軍人がまだ存命だということだ。番組には海軍の陸戦隊として当時、国会議事堂近くで警戒に当たった96歳の男性と決起部隊に参加していたという103歳の男性がインタビューを受けていた。二人ともまだしっかりとしていて、昔の人は頑丈だなあと思った。いや、単に頑丈な人だけが残っているのかもしれないが。

 話は戻って、二・二六事件は結局、陸軍司令部が決起部隊を見捨て、天皇が部隊の行動を反乱とみなすことを明らかにしたことで、決起部隊が孤立し、クーデターは失敗に終わる。孤立する中で、それでも「天皇のために行動したのだ、天皇なら分かってくださる」と何とか自分たちの思いを天皇に伝えようとする青年将校らは滑稽でもあり、悲しくもあった。

 そして、この事件がいかにして日本を戦争に導く発端になったか、その理由だが、自分たちのすぐそばで、多くの人が軍隊によって殺されたという事実はその当時の政治家、官僚、財界人らに大きな恐怖を抱かせたらしい。その恐怖を背景に軍部は政治に介入し始めた。また、昭和天皇はクーデターを鎮圧したことで権威が大きく増すことになった。軍部はその昭和天皇の権威も利用して、自分たちの力を増していった。そして太平洋戦争へと突入していった。つまり、二・二六事件で軍部と昭和天皇は力をより強くした。その二つが大戦へ突き進むエンジンとなった。その意味で二・二六事件は第二次大戦の発端と言われるのだ。しかし、二・二六事件から敗戦までたった9年らしい。その転落ぶりには暗澹たる気持ちにさせられる。

 

それにしても陸軍の屑っぷりには唖然とする。血気にはやる青年将校らを煽り、事件直後には決起に賛同するふりを見せておきながら、結局は見捨てた。そして事件を利用して自分たちの影響力を増していき、天皇も自分たちのために利用した。大日本帝国陸軍はまともじゃないとは思っていたが、こうして改めて見せられると屑としか言いようがない。一方の海軍もクーデターを事前に把握しておきながら、止めることもせず、事前に知っていたことがばれないように文書を隠したというのだから、どうしようもない。

 

この時代はどちらをみてもどうしようもない暗い気持ちにさせられるのでやっぱり嫌いだ。