横浜映画ボーイ

映画の分析と感想を書きます。時々脚本も。

「凶悪」 2013年

 

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「凶悪」 2013年 日本 7/10点

 

 

登場人物

藤井:週刊誌記者

須藤:死刑囚

木村:「先生」

藤井妻

五十嵐:須藤の舎弟

日野:須藤の舎弟

佐々木:須藤のムショ仲間

静江:須藤の内縁妻

牛場:保険金殺人被害者

福森:木村の仲間

 

構成

三幕構成

 

第一幕

オープニングー死刑囚須藤の事件ダイジェスト

藤井と須藤の出会い

須藤の動機「ハメた木村に復讐したい」

藤井調査開始

確信を強める藤井

認知症の母に悩む藤井妻

藤井【目的】事件の記事化 【障害】編集長の拒否

須藤、藤井への罵倒、関係破綻

認知症の母と藤井妻のトラブル

藤井、須藤の内縁の妻に会う

藤井と須藤の関係修復

 

第二幕

7年前に戻り事件の詳細

木村と須藤

第一の殺人ー焼却炉で処分

第二の殺人ー生き埋め

【ミッドポイント】

第三の殺人ーメインの事件、牛場の保険金殺人

佐々木の放免祝い

佐々木のうそに乗せられる須藤

牛場、木村の事務所に監禁され酒を飲まされる

嘘が発覚した佐々木を橋から突き落として殺す

牛場拷問され死ぬ

林の中に遺棄、須藤に裏切りを疑われた日野が逃亡

日野を焼いて意識不明にしたため指名手配される須藤と五十嵐

木村にハメられ須藤が五十嵐を殺す

※木村ー須藤が組んだ殺人と須藤個人の殺人が平行して起こる

須藤個人の事件で須藤は逮捕されるが、佐々木、日野はそのための登場人物

 

第三幕

記事にするよう編集長に強く訴える藤井

木村宅に対する強引な取材

藤井は留置場へ、面会に来た妻は泣いて詰る

所轄の警察に事件を知らせるが取り合わない

怒った編集長は記事にすることを了承

記事は大反響を呼び、木村、牛場の家族が逮捕

厳罰を求める藤井と満足する須藤

事件解明のため福森を問い詰めるが、トラックにはねられ死ぬ

※事件はここで終わり、以下法廷

藤井、妻から離婚届を突きつけられる

法廷で木村と須藤が対決

須藤の裁判で藤井が証人として出廷

木村だけでなくお前も生きているべきではないと須藤を非難する藤井

老人ホームに母を入れる藤井夫婦

藤井と木村の面会

 

感想

主人公を誰にするか。現在→過去→現在という構成をとるなら主人公に週刊誌記者を当てるべきではなかったと思う。なぜなら第二幕で主人公の藤井は一切出てこないのだから。第一幕と第三幕で主人公の葛藤を描こうとしても時間的に浅いものにならざるを得ない。ましてやキャラ的に須藤や木村の濃さが圧倒的なのだからなおさらである。

主人公をピエール瀧演じる須藤、そして敵役をリリーフランキー演じる木村としたら、もっと面白かっただろう。二幕の面白さはそれを確信させる。二人が如何に関係を深め、互いに憎しみ会うようになるのか。事件を起こすまでどんな人生を歩んできたのか。怪物になった二人の対決。法廷で木村と須藤が互いににらみ合うあの場面は本当ならもっとアガる場面になったはずなのだ。そして藤井は須藤に利用され事件を解明する週刊誌記者というキャラだけでよかった。無理な正義感という動機付けがノイズになってしまっているように感じた。